フナにおける心の仕組みとマナの活用
はじめに
ハワイに伝わる秘教体系「フナ」では、人間の心を 三つの意識(Three Selves) に分けて理解します。
それは、
- ロウセルフ(潜在意識)= Unihipili(ウニヒピリ)
- ミドルセルフ(顕在意識)= Uhane(ウハネ)
- ハイセルフ(超意識)= Aumakua(アウマクア)
という三層構造です。そして、この三つの意識をつなぎ、働かせるエネルギーが「マナ(Mana=生命力)」です。
この考え方は、心理学で語られる「潜在意識」や「無意識」、さらには瞑想や仙道で語られる「気」とも深く関連しています。本記事では、フナにおける三つの意識と生命力を詳しく解説し、瞑想や日常生活での実践的な活用方法を紹介します。
Unihipili(ウニヒピリ) ― ロウセルフ/潜在意識
Unihopiliは「低次の自己」とされ、いわゆる潜在意識に相当します。
- 感情(喜怒哀楽・恐怖)の発生源
- 幼少期からの記憶やトラウマを保持
- 自律神経の働きや身体反応を司る
- 催眠や暗示の影響を受けやすい
フナでは、祈りを成功させるために Unihopiliの協力が不可欠 とされます。
なぜなら、祈りの「思考フォーム(aka thought-forms)」を作り、Aumakuaへ届けるのはこの潜在意識の働きだからです。
Uhane(ウハネ) ― ミドルセルフ/顕在意識
Uhaneは「会話する自己」とも呼ばれ、私たちが普段「自分」と認識している意識です。
- 言語化された思考
- 推論・判断・意志の力
- ロウセルフを導く「教師」としての役割
現代心理学でいう顕在意識に相当します。
ただし、フナにおいては Uhaneは独立した存在ではなく、Unihopiliと密接に結びついて働く とされます。
顕在意識が潜在意識を理解し導くことで、三つの意識の統合が可能になるのです。
Aumakua(アウマクア) ― ハイセルフ/超意識
Aumakuaは「守護霊」「祖先の魂」とも訳される概念で、フナにおける超意識の領域です。
- 高次の直観と導き
- 人生の使命や霊的成長の方向性を示す
- 願望実現や癒しに働きかける存在
祈りを行うとき、UnihopiliとUhaneが協力してAumakuaにマナを送ることで、祈りが届きます。そしてAumakuaが働きかけることにより「奇跡」と呼ばれる現象が生じるとされます。
宗教でいう「神の声」や、スピリチュアルでいう「ハイヤーセルフ」とほぼ同じ役割を担っています。
Mana(マナ) ― 三つの意識を結ぶ生命力
フナの体系において、三つの意識を動かす原動力が Mana(マナ) です。
- 呼吸・食物から生成される生命エネルギー
- Unihopiliがマナを生成し、Uhaneに分配
- 祈りの際にはマナがAumakuaへ届けられる
仙道における「気」、インドのヨガにおける「プラーナ」と類似しています。
瞑想や呼吸法によってマナを増やすことができるため、フナの実践では「祈りの前に深い呼吸を行い、マナを充実させる」ことが強調されます。
三つの意識とマナの協働 ― 祈りと奇跡の仕組み
フナでは祈りのプロセスを以下のように説明します。
- Uhane(顕在意識) が願望を明確にイメージする
- Unihopili(潜在意識) が思考フォームを形成する
- Unihopiliがマナを充電し、Aumakuaへ送信する
- Aumakua(超意識) が高次の力で現実に作用する
- 願望が実現する、または癒しが起こる
この流れが途絶えるとき、多くは「Unihopiliの抑圧」や「トラウマ」が原因です。
瞑想・仙道との関連性
- 仏陀の瞑想:煩悩を観察・解消 → Unihopiliの浄化
- 仙道:呼吸と気の循環による生命力強化 → Manaの鍛錬
- フナ:三つの意識を調和させ、Aumakuaとつながる
フナは心理学的にも霊的にもバランスが取れた体系であり、瞑想や仙道と並行して実践することで理解が深まります。
まとめ
フナの三つの意識 ― Unihopili(潜在意識)、Uhane(顕在意識)、Aumakua(超意識) ― は、単なる比喩ではなく「人間の心の働きを整理する実践的なモデル」です。
- Unihopiliを癒すこと
- Uhaneが正しく導くこと
- Aumakuaとの結びつきを強めること
これにより、生命力(Mana)の流れが整い、祈りや瞑想の効果が最大化されます。
現代人が抱えるストレスやブロックの解消にも役立ち、自己成長やヒーリングに応用できる普遍的な智慧といえるでしょう。