京都で体験した不思議な出来事
30代後半の頃のことです。
私は神奈川で参加していたビジネスグループの仲間たちと、京都へ旅行に行きました。
もともと私は大阪の出身で、京都へは何度も足を運んだことがありました。しかし、関東から来たメンバーの多くは京都初心者。中には「初めて来た」という人もいて、皆で有名な神社や寺院を中心に観光して回りました。
鳥居での出来事
いくつもの神社仏閣を巡っているうちに、次第に疲れが出て注意力も散漫になっていました。そんな時、とある神社の鳥居をくぐろうとしたのです。
本来であれば鳥居をくぐる前に立ち止まり、一礼をしてから進むのが作法。ところが私は、その時うっかり礼を忘れてしまいました。
その瞬間——。
額を正面からぐいっと押されたような感覚が走り、思わずのけぞってしまったのです。
すぐ後ろにいた仲間も驚き、
「急にのけぞったような格好になった」
と言っていました。
つまり私だけの錯覚ではなく、周囲の人にも分かるほど、確かに“何かに押された”ような現象が起こったのです。
慌てて鳥居の前に戻り、深々と頭を下げてから改めてくぐり直しました。すると今度は何も起こりませんでした。
他にもあった「神様に怒られた」体験
実は、このような体験は一度だけではありません。
- 山奥で見つけた小さな祠で手を合わせようとした時、上から手をはたかれたような感覚があった。
- 神社で拝もうとしたら、背中を強く押された。
など、不思議な出来事が何度もありました。
興味深いのは、有名で観光客が多い神社ではこのような体験はなく、ほとんどが地域の人しか知らないような小さな神社で起こる、という点です。
なぜ起こるのか?
最初の体験は「礼を忘れたこと」が原因だと分かります。しかし、他の場面では礼をしようとしたのに、逆に叩かれたり押されたりしたこともありました。
理由は正直なところ分かりません。ただ、けがや病気になることもなく、いわゆる「祟り」ではないようです。
もしかすると、自分では気づかないうちに何か作法を誤っていたのかもしれません。
まとめ
神社での体験を通じて学んだのは、**「神様に対して礼を尽くすことの大切さ」**です。
鳥居をくぐる前の一礼、参道の歩き方、拝礼の作法など、基本的な礼儀を忘れずに守ること。
小さな神社であっても、そこに宿る神聖さは大きな神社と変わりません。
むしろ静かで人の目が少ないからこそ、神様の存在をより強く意識させられるのかもしれません。
不思議な体験ではありましたが、「作法を守りなさい」という優しい叱責のように思えます。
これからも神社を訪れる時は、心を落ち着け、きちんと礼をしてから参拝したいと思います。