不思議なメールから始まった縁
20代後半の頃、私は仙道に関するホームページを運営していました。
自己紹介ページには自分の写真も掲載していたのですが、ある日、そのサイトを通じて一通のメールが届きました。差出人は三重県在住のK氏。当時50代の男性でした。
K氏は「自分の写真を見てほしい」と言います。理由を尋ねると、彼は「特別な波動を持っており、同じ波動を持つ人を探している」と説明しました。私の写真を見て、その波動が出ていることに気付いたのだそうです。
波動を通じた交流
K氏は厳しい修行の末にその波動を身につけたと語っていました。私は特別な修行をしたわけではありませんでしたが、とりあえず写真を拝見することにしました。確かに何らかのエネルギーを感じはしましたが、それが仙道で言う「陽気」とは異なる感覚で、詳細は分かりませんでした。
それ以降、K氏とは長く交流を続けました。彼はその波動を用いて除霊や土地の浄化を行っており、私も教わることで似たようなことができるようになりました。特に彼は非常に微細な感覚まで把握でき、目にしただけで人や土地に付着しているものを判別できました。私は感覚として捉える程度で、すぐに分からないことも多かったのです。
稲荷での出来事
そんなある日、私はある会社の敷地内にある稲荷で、思いがけない体験をしました。
その会社のオーナーも特殊な力を持ち、手から出す気で病を癒すという実践をしていました。私はその現場を見学させてもらい、さらに体験もさせてもらいました。ところが、彼の手が私に触れた瞬間、体内に何かが入り込んできたのです。
その日以来、私の波動は完全に出なくなりました。驚いて自分の写真を撮り、K氏に送ったところ「明らかに取り憑かれている」と告げられました。祓ってくれると言われましたが、私は「せっかくの機会だから」と考え、しばらく観察を続けることにしました。
職場で起こったこと
数日後、職場の女性職員が病院に行ってきたと話してくれました。胸の痛みが続いており、検査を受けたところ「肺に細菌の塊がある」と診断されたそうで、手術が必要だと告げられていました。
その女性は私が気を扱えることを知っていたので、「少し見てもらえないか」と頼んできました。私は背中に手を置き、肺の内部に意識を向けてみると、確かに嫌な感覚がありました。その瞬間、なぜか「これを取り除ける」と強く感じたのです。
了承を得て集中すると、嫌な感覚は突如として消えました。本人も「軽くなった」と実感し、後日の再検査では、本当に影が消えていたそうです。
K氏の説明と、その後
この体験をK氏に話すと、彼は次のように説明しました。
「悪い波動というのは強い欲望の塊なので、一時的に超能力のようなことができる。しかし、それを使い続けると死後に取り込まれ、永遠にそこから離れられなくなる」
その警告を聞き、私はK氏に依頼してその力を祓ってもらいました。
後日分かったことですが、その力の源は会社の敷地にあった古い稲荷でした。千年以上の歴史を持ち、人々の祈りとともに欲望を取り込み、強大な存在となっていたのでしょう。
まとめ
K氏との出会いから始まり、稲荷での不思議な体験、そして一時的に他人を癒す力を得たこと。それは貴重な経験ではありましたが、同時に「安易に関わってはいけない力の存在」も教えてくれる出来事でした。
楽しい実験のように思えた一方で、放置すれば危険にもつながるもの。だからこそ、最後は祓ってもらい、手放すべきだったのだと今は思います。