地脈を開く術と、ある不思議な体験


私が指導の中で使う方法のひとつに、地脈を開いて気を引き上げる術があります。
土地に流れる気を利用して結界を張ったり、悪いものを遠ざけたり、さらには自らの気を練ることにも活用できるのです。

Mさんとの出会い

以前、個人的にこの術を教えたことがありました。その中に、ちょっと変わった理由で習いに来た人がいました。ここでは仮に「Mさん」と呼ぶことにします。

彼の最初の言葉はこうでした。
「自分の分身が自分と合体しに来ているので、負けないために習いに来ました」

正直、意味不明でした(笑)。ですが、その後すぐにその言葉の意味を理解することになります。

分身との遭遇

公民館の和室を借りて稽古をしていたときのこと。ふと、ふすまが少し開いているのに気づきました。
その影から、誰かがこちらを覗いているのです。もちろん、隣の部屋は真っ暗で誰もいません。しかも、じっと見ようとするとスッと消えてしまう。

何度か同じことが起き、不思議に思ってMさんに話すと、彼は淡々とこう言いました。
「それ、私の分身です」

天界から来た魂

Mさんの話によると、彼は前世で天界にいた存在だったそうです。生まれ変わる際に魂が分離してしまい、半分だけが人間界に来た。そして残りの魂は「片割れ」を探して人間界に降りてきたのだと。

その分身は、隙あらば人間としてのMさんを乗っ取り、ひとつになろうとしている――。
だからこそ彼は、「負けないように」地脈を開く術を習いに来たのです。

不思議な力

果たして術で分身との合体を防げるかどうかは分かりません。ですがMさん自身、確かに不思議な力を持っていました。

  • 動物と普通に会話できる
  • 悪い土地の状態を感覚的に理解できる

こうした力を実際に目にすると、「天界」という存在も本当にあるのかもしれないと思わされます。

その後

残念ながら、その後Mさんと連絡を取ることはありませんでした。今どうしているのかは分かりません。
しかし、あの体験を通して私は、人の魂の在り方や天界の存在について考えずにはいられなくなったのです。


👉 このような体験談は、単なる不思議話にとどまらず、「人と魂」「この世とあの世」の関わりについて考えるきっかけになるのかもしれません。