フナの理論による霊的現象の検証
人の精神構造が三つで構成されていると説くフナは、霊的現象についても明快な答えを与えてくれます。ここではまず人の死後に起こる精神の変化を説明し、その結果として起こりうる霊的現象について解説していきます。
フナの死生観
フナでは、死とは無を意味するものではなく、新たな世界への旅立ち、そして生まれ変わるための準備を行う世界への移動ととらえます。そのように考える理由は、マナを介した人間構造の把握にあります。
人間の構造
意識の種類 | ハイセルフ | ミドルセルフ | ロウセルフ |
肉体 | ない | ある | ある |
マナの種類 | ハイマナ | マナマナ | マナ |
アカ体の場所 | 別次元 | 後頭部 | 肉体と同じ大きさ |
死後の変化
肉体が消失、すべての精神はアカ体のみの存在となる。マナもほとんど無くなる
アカ体(Aka-body)とは
意識の存在するための土台となるところ。死後も存在し、意識はそこをよりどころとしている。目で見ることはできず、触ることもできない。
死後の世界の流れ
- 肉体が死ぬと、ロウセルフとミドルセルフはアカ体に宿ったまま肉体を離れ、記憶や感情を保持したまま存続します。
- ハイセルフは常に二つの下位セルフとつながっており、死後もその導きを通じて人を次の段階へ導く存在とされます。
- 霊的存在として残る段階は、人間が生前にどれだけロウセルフを浄化し、ハイセルフとの連絡を確立できたかによって異なると考えられます。
霊の存在と影響
フナでは、霊は「記憶を持つロウセルフのアカ体」として残る場合が多いとされます。
- 生きている人に影響を及ぼすこともあり、特に未解決の感情や執着を抱えた霊は「憑依」や「執着」として人の無意識に作用すると説明されます。
- 逆に、浄化されハイセルフに導かれた霊は「祖霊」「守護霊」として、子孫や関わりのある人を守るとされます。
死後の意識の状態
1.ロウセルフだけの存在
性質
- 感情と記憶の塊
ロウセルフは潜在意識と記憶の貯蔵庫であるため、死後に単独で残ると「感情の残滓」や「記憶の断片」として存在します。 - 知性や論理の欠如
ミドルセルフ(理性的判断)がないため、思考は幼児的・本能的。怒りや執着がそのまま残る。 - 憑依の原因
生きている人に取りつきやすい。恐怖、恨み、愛着などの未処理感情がそのまま投影される。
傾向
- いわゆる「地縛霊」「残留思念」に近い存在。
- 放置されると人に悪影響を与えるが、祈りや儀式でハイセルフに導かれることで浄化される。
2.ミドルセルフだけの存在
性質
- 理性や意識はあるが、感情や記憶が希薄
ロウセルフが持つ情動や過去の記憶がないため、淡白で空虚な意識。 - 自己を維持しづらい
ロウセルフのエネルギー(マナ生成)がないため、存続には外部の生命力を借りる必要がある。 - 哲学的・観念的存在
感情に縛られないため、純粋な観念や思考の断片として残ることが多い。
傾向
- 生きた存在というより「幽かな意識の残光」や「思想の残影」として現れる。
- 人間に直接的な影響を与えるよりも、夢や直感、思想として触れることが多い。
3.ロウセルフとミドルセルフが共にある存在
性質
- 人格としての霊
感情(ロウセルフ)と理性(ミドルセルフ)が揃っているため、生前に近い意識を保つ。 - 自己同一性の保持
記憶・個性・思考が統合されており、家族や友人に「本人の霊」として認識されやすい。 - ハイセルフへの接続可能性
マナを供給し、祈りや儀式を通してハイセルフへ導かれやすい。
傾向
- 祖霊や守護霊とされる存在は、この形態に近い。
- 長期にわたって存続できるが、やがてハイセルフに吸収され、より高次の存在へと進化するとされる。
まとめ(分類表)
存在の形 | 主な要素 | 特徴 | 傾向 |
---|---|---|---|
ロウセルフのみ | 感情・記憶 | 本能的、執着や未練の塊 | 地縛霊・憑依霊化しやすい |
ミドルセルフのみ | 理性・思考 | 感情に乏しく、淡白 | 思想の残影・直感的影響 |
ロウ+ミドル | 感情+理性 | 生前の人格を保持 | 守護霊・祖霊となりやすい |
🔑ポイントは、ロウセルフが残ると「情動的な霊」になり、ミドルセルフが残ると「観念的な霊」になり、両方あると「人格的な霊」になる ということです。
霊的存在が人間に与える影響
1.ロウセルフだけの存在(感情の霊)
性質と影響
- 感情の残滓(怒り・恨み・執着・愛欲など)が主体。
- 人間の 潜在意識(無意識) に干渉しやすく、無意識の感情反応を刺激する。
- 憑依・ポルターガイスト・悪夢の原因とされる。
- 個人の情緒を乱し、突然の不安・衝動・感情の爆発を引き起こすことがある。
具体例
- 突然の恐怖や怒りが込み上げる。
- 理由のない執着や依存が強まる。
- 心身が消耗しやすい(マナを吸われる)。
2.ミドルセルフだけの存在(思念の霊)
性質と影響
- 感情はなく、理性や観念の残影。
- 思想やイメージのインスピレーション として影響を与える。
- 中性的で攻撃性は少ないが、冷たい・観念的な印象を残す。
- 生きている人間に「強い思想」「特定の観念」「抽象的な直感」を吹き込むことがある。
具体例
- 突然浮かぶアイデアや哲学的洞察。
- 無感情な「声」や「思考」が内面に割り込む。
- 感情を伴わないため、人間を孤立・空虚な思考に導く場合もある。
3.ロウ+ミドルの存在(人格的な霊)
性質と影響
- 感情と理性が統合された「人格」として残る。
- 祖霊・守護霊 として働きやすい。
- 生きている人間に「導き」「保護」「夢での対話」といった形で影響を与える。
- 良い関係なら加護・直感的な導きを与えるが、未解決の思いが強ければ干渉・圧迫感になることもある。
具体例
- 家系の守護霊としてインスピレーションや危険回避を助ける。
- 夢に現れて忠告を与える。
- 生前の性格が強く残っている場合、子孫に期待や制約を押し付けることもある。
まとめ(影響分類表)
霊のタイプ | 性質 | 主な影響 | 人間に現れる形 |
---|---|---|---|
ロウセルフのみ | 感情・本能・記憶 | 無意識を乱す、情緒不安定、憑依 | 恐怖・怒り・衝動・悪夢 |
ミドルセルフのみ | 思考・理性 | 観念や思想のインスピレーション | 哲学的洞察、冷たい直感、空虚感 |
ロウ+ミドル | 人格(感情+理性) | 加護・導き・忠告、あるいは干渉 | 守護霊・祖霊、夢での出会い、直感的導き |
🔑結論として:
- ロウだけの霊 → 感情的に人を乱す。
- ミドルだけの霊 → 思考面に影響を与える。
- ロウ+ミドルの霊 → 人格的に関与し、守護や干渉を行う。
このように、意識の種類による影響を見てみると、霊的な現象のすべてを明確に分類し、その理由も説明することが出来ます。
そして精神疾患の多くが霊的影響によって引き起こされている可能性も示唆しているのです。それをまとめてみます。これは医学的診断ではなく、フナ的視点での霊的解釈です。
精神疾患と霊的影響の分類表
精神疾患の傾向 | 霊的要因(フナ的解釈) | 因果関係の説明 | 典型的な影響・症状 |
---|---|---|---|
不安障害・パニック障害 | ロウセルフ霊(感情の残滓) | 恐怖・不安の記憶を持つロウセルフが憑依し、宿主の潜在意識を刺激 | 原因不明の恐怖、動悸、息苦しさ、繰り返しの不安発作 |
抑うつ・無気力 | ミドルセルフ霊(思考の残影) | 感情を欠いた冷たい思考の霊が影響し、生気を奪う | 無力感、思考の空虚化、外界への関心喪失 |
強迫性障害 | ロウセルフの執着霊 | 未練やこだわりをもつロウセルフが潜在意識に干渉 | 不合理な反復行動や観念の止まらなさ |
統合失調症 | ロウ+ミドルの不調和な霊 | 感情+理性を持つ霊が半ば人格的に干渉し、思考や知覚を侵食 | 幻聴・幻視、妄想、自己と他者の境界の喪失 |
解離性障害(多重人格的症状) | ロウセルフまたはミドルセルフが部分的に分離・外部霊と結合 | 内部のセルフが分裂し、外部霊と融合 | 人格の入れ替わり、記憶の断絶 |
躁うつ(双極性障害) | ロウセルフの感情霊が周期的に活性化 | 喜怒哀楽が極端に揺れる霊的波動が潜在意識を揺さぶる | 異常な高揚と深い抑うつの反復 |
依存症(アルコール・薬物など) | エネルギーを求めるロウセルフ霊 | 宿主のマナを奪いながら欲望を刺激 | 自制不能、強烈な渇望感、破壊的な依存 |
妄想的宗教体験・過激思想への没入 | ミドルセルフ霊の影響 | 思考だけが強調された霊が観念を吹き込む | 神秘体験の過剰解釈、独自の使命感、孤立 |
補足解説
- ロウセルフ霊:感情や記憶の残滓 → 不安・恐怖・依存・強迫に関与。
- ミドルセルフ霊:観念や思考の残影 → 空虚感・哲学的妄想・冷酷な観念化に関与。
- ロウ+ミドルの霊:人格的存在 → 統合失調症的な幻聴・幻覚・妄想の原因になりやすい。
フナでは「霊が憑く」というより、外部霊がロウセルフを介してマナを奪い、思考や感情に影響すると説明されます。
つまり、精神疾患は 内的要因(潜在意識の抑圧や固定観念)+外的要因(霊的干渉) の複合現象と捉えられます。
現代医学では精神疾患のみを取り扱いますが、フナは両方を扱います。それは原因が同じだからです。